音の強さと大きさの表し方
まず、音を表す諸量の定義を見ていく。
- 音の強さ:
- 音のエネルギー量であり、物理的に定義される。
- 音の進行方向に垂直な単位面積を単位時間に通過する音のエネルギー量。
- 単位はW/m2。記号はIである。
- 音圧pとの関係は、次式で表される。ここでは、固有音響抵抗(音響インピーダンス)といわれる。
- 音の大きさ:
- 人間が感じる感覚量であり、物理量ではない。
- 同じ音圧レベルでも周波数が異なると同じ大きさには感じられない。
- ある音の大きさを数値化するには、1kHzの様々な音圧レベルの音と聴き比べて、大きさが等しいと判断した音圧レベルの値を「音の大きさのレベル(ラウドネスレベル)」とする。単位はphon。
- 1kHz以外の周波数においても、各phon値に対応する音の大きさに聞こえる音圧レベルがあるので、横軸が周波数、縦軸が音圧レベルとするグラフで同じ音の大きさを表す曲線が描ける。これが等感覚曲線といわれるもの。
- 等感覚曲線を見ると、3kHz付近で極小となる曲線になっていることが分かる。つまり、3kHz付近の音は、小さい音圧レベルであっても感覚的には(他の周波数の音よりも)大きな音として感じられることを意味する。
- phon値は、音の大きさの大小関係を表すが、等感覚曲線が等間隔でない(!)ことから分かるように、和の関係や比の関係を表すことができない。
- そこで、ソーン尺度というものがある。40phonの音の大きさを1soneとする単位であり、音の大きさS [sone]と大きさのレベルP [phon]の関係は、と定義される。
参考サイト:
ホン - Wikipedia
参考文献:
機械音響工学 | |
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騒音の計測と評価/dBとLAeq―音を診る | |
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